化学療法(抗がん剤治療)の一般的な副作用、皮膚障害について

看護目線

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化学療法の代表的な副作用は、下記のような感じです。それ以外にも、個人で色々あるかと思います。

大体の医療従事者は、実体験できていないので患者の本当の気持ちや症状は想像でしかわからないものですが、なるべく患者目線に立ちたいものです。些細な症状でも、不安が増長したりしていますので、専門知識と根拠をもって対応していけると良いですよね。

と、いうわけで

悪心・嘔吐、口腔粘膜炎・味覚障害、便秘・下痢、骨髄抑制、アレルギー、末梢神経障害、脱毛、リンパ浮腫、皮膚障害 

ここでは皮膚障害についてまとめてみます。

皮膚障害 

化学療法による皮膚障害は、がん治療の一環として使用される化学療法薬が引き起こす皮膚に関連する副作用です。化学療法薬はがん細胞をターゲットにして作用しますが、皮膚の正常な細胞にも影響を及ぼすことがあります。その結果、皮膚にさまざまな障害が現れることがあります。

化学療法による皮膚障害の概要

皮膚障害の種類と特徴

  1. 皮膚乾燥
    • 特徴: 皮膚が乾燥し、かさつきやひび割れが生じることがあります。
    • 原因: 化学療法薬が皮膚の油分を奪うことによる乾燥。
  2. 発疹(皮膚発疹)
    • 特徴: 赤い斑点や小さな突起物が皮膚に現れ、かゆみや痛みを伴うことがあります。
    • 原因: アレルギー反応や化学療法薬による直接的な影響。
  3. 皮膚炎
    • 特徴: 皮膚が赤くなり、腫れや炎症が見られることがあります。ざ瘡様など。
    • 原因: 化学療法薬が皮膚の免疫系に影響を及ぼすことによる炎症。
  4. 色素沈着
    • 特徴: 皮膚に黒ずみや色むらが現れることがあります。
    • 原因: 一部の化学療法薬がメラニンの生成に影響を与えるため。
  5. 口腔粘膜炎(口内炎)
    • 特徴: 口の中の粘膜が赤くなり、痛みを伴う潰瘍ができることがあります。
    • 原因: 化学療法薬が口腔の粘膜にも影響を与えるため。
  6. 爪の変化
    • 特徴: 爪が変色したり、脆くなったりすることがあります。
    • 原因: 一部の化学療法薬が爪に影響を与えるため。

私は、ゲムシタビン投与の後、頬が赤くなり、敏感になりました。赤味は一週間くらい続きました。

手足症候群:フルオロウラシル、エトポシド、ドセタキセル、タキソテール、S-1などで起こりやすい。

ざ瘡様皮膚炎、爪周囲炎:セツキシマブ、パニツブマブ、ゲフィチニブ、などで起こりやすい。

投薬から1〜4週間で出現する。痺れ、チクチク感、紅斑、過角化、知覚異常、疼痛、水疱、亀裂などがあり、症状によっては休薬を検討する。

https://www.scchr.jp/book/manabi2/manabi-body8/主な皮膚障害の症状と抗がん剤の種類.html

静岡県立静岡がんセンターのサイト、みやすくてわかりやすいです。

皮膚障害が起こる主な時期と原因

  1. 治療開始から数週間以内
    • 急性反応: 化学療法の開始後、数週間以内に皮膚障害が現れることが一般的です。皮膚の乾燥や発疹がこの時期に見られることがあります。
  2. 治療の継続や強度
    • 長期的な影響: 治療が続くと、皮膚の状態が悪化することがあります。特に、強い化学療法薬や高用量の薬剤を使用している場合には、皮膚障害が顕著になることがあります。
  3. 化学療法薬の種類
    • 特定の薬剤: 一部の化学療法薬(例:アントラサイクリン系、タキサン系など)は、皮膚に直接的な影響を与えることがあります。
  4. 放射線療法との併用
    • 放射線治療の影響: 化学療法と放射線療法を併用している場合、皮膚への影響が強くなることがあります。

看護師としての対応

  1. 皮膚状態の観察と評価
    • 定期的なチェック: 患者の皮膚状態を定期的に観察し、乾燥、発疹、炎症などの症状をチェックします。
    • 評価: 皮膚障害の進行状況や重症度を評価し、必要に応じて治療方針を調整します。
  2. 皮膚ケアの指導
    • 保湿: 皮膚の乾燥を防ぐために、適切な保湿剤の使用を推奨します。保湿剤の選び方や塗り方についてもアドバイスします。ボディーソープはよく泡立て手のひらで優しく撫でるように洗う、保湿は入浴後なるべく早く隅々までクリームやローションを塗布するようにしましょう、など。
    • 刺激の回避: 衣類や化粧品、強い石鹸など、皮膚を刺激する可能性のある製品の使用を避けるよう指導します。入浴は40度以下、水仕事はゴム手袋を使用する、縫い目が当たらないよう、手袋や靴下、下着は裏返して使用する、靴は足に合うもので中敷は柔らかいものにする、髭剃りは電気シェーバーを当てるようにして使用する、など。
  3. 皮膚炎の管理
    • 処置と薬剤: 皮膚炎や発疹の治療に必要な薬剤(例:ステロイド外用薬など)の使用方法を説明し、適切な処置を行います。
    • 感染予防: 皮膚に傷や潰瘍がある場合には、感染を防ぐための衛生管理や適切なケア方法について指導します。
  4. 口腔ケア
    • 口腔衛生: 口腔粘膜炎がある場合には、口腔内の清潔を保ち、刺激の少ない食事を提案します。口腔ケアの方法や、痛みを和らげるための対策について説明します。
  5. 患者への教育とサポート
    • 教育: 皮膚障害の予防や対策について患者に教育し、症状が悪化した場合の対応方法についても指導します。
    • 心理的サポート: 皮膚障害が患者の外見や生活に影響を与えることがあるため、心理的なサポートを提供し、必要に応じてカウンセリングを提案します。
  6. 医師との連携
    • 報告と相談: 皮膚障害の症状や進行状況を医師に報告し、追加の治療や対策が必要かどうかを相談します。
  7. フォローアップとモニタリング
    • 定期的な評価: 皮膚状態を定期的にフォローアップし、必要に応じて治療計画を見直します。
    • 生活の改善: 患者の生活の質を向上させるために、日常生活でのアドバイスやサポートを行います。

予防と対応の重要性

化学療法による皮膚障害は、適切な管理とケアによって軽減することが可能です。看護師としては、患者が皮膚障害を適切に管理し、生活の質を維持できるようにするために、効果的なサポートと教育を行うことが重要です。患者が直面する皮膚の問題に対して理解し、適切なケアを提供することで、治療中の快適さを高めることができます。

ヘパリン類似物質:ヒルドイドを予防的に使用することで皮膚の保湿ができます。

ステロイド外用薬、ステロイド内服:手足症候群、ざ様皮膚炎、爪周囲炎に有用です。

参考にしている本です。ちょっと年式が経っていますが、とても重宝しています。

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