化学療法(抗がん剤治療)の一般的な副作用、脱毛について

看護目線

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化学療法の代表的な副作用は、下記のような感じです。それ以外にも、個人で色々あるかと思います。

大体の医療従事者は、実体験できていないので患者の本当の気持ちが想像でしかわからないものですが、なるべく患者目線に立ちたいものです。些細な症状でも、不安が増長したりしていますので、専門知識と根拠をもって対応していけると良いですよね。

私はシスプラチン+ゲムシタビン療法を受けています。

シスプラチンの脱毛発生率は10%ということですが、私は頭頂部からつむじ付近にかけて結構抜けました。

初回投与三週間くらいからごっそり、4回投与で毛量3分の1程度になりまして、外出時は帽子や部分ウィッグ、フルウィッグが必要です。

それでもまだ、残っている方ではあると思いますが、本人からすれば気になるものです。

入院中に看護師さんに脱毛の話をしたら、毛の周期で生えてきませんか?と無知な返答があり、ちょっと衝撃でした。勉強不足や言葉の選び方次第では患者を傷つけてしまいます。

と、いうわけで

悪心・嘔吐、口腔粘膜炎・味覚障害、便秘・下痢、骨髄抑制、アレルギー、末梢神経障害、脱毛、リンパ浮腫、皮膚障害 

ここでは脱毛についてまとめてみます。

脱毛

化学療法による脱毛(しばしば「脱毛症」と呼ばれます)は、がん治療で用いる化学療法薬によって引き起こされる脱毛のことを指します。化学療法薬はがん細胞を攻撃するために用いられますが、これらの薬剤は増殖の速い細胞(例えば、毛根の細胞)にも影響を与えることがあり、結果として脱毛を引き起こすことがあります。

化学療法による脱毛の概要

脱毛の特徴

  • 部位: 頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛、体毛などが脱毛することがあります。
  • 進行: 通常、治療が始まってから数週間内に脱毛が始まり、治療が進むにつれて進行することがあります。
  • 回復: 化学療法が終了すると、多くの場合、毛髪は再生しますが、再生には数ヶ月から1年以上かかることがあります。再生した髪が以前と異なる場合もあります(例:色や質感が変わることがあります)。

脱毛が起こる主な原因

  1. 化学療法薬の作用
    • 細胞分裂の抑制: 化学療法薬は、細胞分裂が活発ながん細胞をターゲットにしていますが、毛根の細胞(毛母細胞)も急速に分裂しているため、これらの薬剤の影響を受けやすいです。頭髪、まつ毛、眉毛、体毛、全身の毛も影響を受けます。
    • 薬剤の種類: 全ての化学療法薬が脱毛を引き起こすわけではありませんが、多くの抗がん剤(例:シクロフォスファミド、ドキソルビシン、パクリタキセルなど)は脱毛を高確率で引き起こすことがあります。
  2. 治療の種類と期間
    • 治療の強度: 高用量や長期間の化学療法が脱毛のリスクを高めることがあります。
    • 併用療法: 複数の化学療法薬を組み合わせて使用する場合、脱毛のリスクが増すことがあります。

看護師としての対応

  1. 患者への説明とサポート
    • 予防と説明: 脱毛の可能性について、治療開始前に患者に詳しく説明し、心理的な準備をしてもらうことが重要です。脱毛が起こる理由や予想される経過についても説明します。
    • 実用的なアドバイス: 脱毛に伴う実用的な対策(例:ウィッグや帽子の使用、皮膚のケア方法など)についてアドバイスを行います。
  2. 心理的サポート
    • 感情のケア: 脱毛は患者にとって非常にストレスとなることがあるため、感情的なサポートを提供し、必要に応じてカウンセリングを提案します。
    • 支援グループ: 同様の経験を持つ他の患者との接触を支援し、共感やサポートを得る手助けをします。
  3. 脱毛対策
    • ウィッグや帽子の提案: 脱毛に備えて、ウィッグや帽子の購入や装着方法についての情報提供を行います。ウィッグの適切なサイズやフィッティングについてもアドバイスします。
    • スキンケア: 頭皮やその他の脱毛した部位のスキンケアについて指導し、乾燥やかゆみを防ぐ方法を教えます。
  4. モニタリングとフォローアップ
    • 脱毛の観察: 脱毛の進行状況を観察し、患者の状態を把握します。副作用が重度の場合は、医師に報告し、適切な対応を検討します。
    • 再生の経過: 化学療法終了後、髪の再生状況をフォローアップし、患者に対して安心感を提供します。
  5. 教育と情報提供
    • 副作用の管理: 化学療法による他の副作用と併せて脱毛に関する情報を提供し、患者が治療に対する理解を深められるようにします。
    • 生活の工夫: 日常生活での工夫や脱毛に対する適応方法について教育し、患者が自分に合った方法を見つけられるよう支援します。

東京大学医学部附属病院さんのがん相談支援センターの説明がわかりやすいです。

外見ケア | 東京大学医学部附属病院 がん相談支援センター
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Q49.抗がん薬治療による脱毛に備えて,どのような準備をしたらよいですか。 | 患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版
A.抗がん薬治療を始めて2~3週間後ぐらいから脱毛が始まります。脱毛に備えたウィッグ(かつら)や帽子は,治療中も安心して使用でき,生活スタイルに合った自分らしく過ごせるものを選びましょう。眉やまつ毛の脱毛カバーの仕方や治療中の爪ケアについて...

患者への支援

  • サポートネットワーク: 必要に応じて、患者支援団体やリソースを紹介し、脱毛に対する支援や情報を得る手助けをします。
  • 医師との連携: 脱毛が患者の生活に大きな影響を与えている場合、医師と連携して、追加のサポートや対策を検討します。

化学療法による脱毛は患者にとって大きなストレスとなることがありますが、看護師としては適切なサポートと教育を行うことで、患者がこの困難な状況に対処できるよう支援することが重要です。

私が用意したウィッグは、

ピンクエイジさんのフルウィッグ

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医療用は、ウィッグだとわかりづらく作られていたり、個人用にカスタムできたりしますが、お高いものがほとんどです。市町村で助成金がある場合が大体なので、申請を勧められるといいですね。

残っている毛も白髪が増えてしまったので、カラーも気になるところですが、我慢します。カラーは頭髪が復活したらヘアマニキュアやヘナからはじめて様子をみながらが良いそうです。早く生えてくるといいです。

参考にしている本です。ちょっと年式が経っていますが、とても重宝しています。

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